活動履歴
タイ バンコク
「うま味:科学と味の芸術」― Umami: Science and Art of Taste

2007年1月開催
 パネリスト |
2008 年は、池田菊苗博士によるうま味の発見から 100 周年にあたる。これを機にうま味インフォメーションセンターでは、世界各地で一連のうま味イベントを企画している。その皮切りとなったのが、今年 1 月 25 日、タイ・バンコクの ル・コンコルド・ホテルで開催されたシンポジウム "Umami: Science and Art of Taste" である。
伝統的にうま味料理が豊富なこの国で、人々にこの第五の味の魅力を再確認してもらう目的で企画された同イベントは、UICとタイ食品工学連合 (FoSTAT), タイ調理師連合の合同主宰によるもので、シェフやフードライター、食品業界関係者や研究者など約250人が参加。司会役のポジャニー・パニアンバイト博士(FoSTATダイレクター)による「アジア生まれの“ラーメン”が世界共通語となったように、アジアで発見された第五の味が世界に認められつつあるのは喜ばしい」という開会の言葉を、FosTAT会長のダルニー・エドワーズ氏が「うま味の味は認識しているものの、それが何物であるかを知る人は少なく、今回は我々食の専門家や研究者が改めてそれを理解し、タイの食品産業を開拓していくよい機会となる」とつないだ。

エドワーズ氏 |

ポジャニー博士 |
ラチャバット・スワン・ドゥシット大学助教授のナルエモン・ナンタラグサ博士は、「タイ料理の知恵と芸術」をテーマに、タイ全域を4つに分けた各地域の料理の特徴を解説し、すべての地域に共通するのはナンプラーを中心とする発酵調味料の有用であるということを強調した。また博士はこれらの調味料が元々は食材を保存するために生み出されたものであり、その味の魅力から調味料として使われるようになったという推測も付け加えた。

ナルエモン助教授 |

すずきの蒸し煮 |
試食コーナーでは、タイの伝統的な鶏粥カオ・トム・カイを、単なる水で作ったもの、鶏のスープで作ったものの2種類で食べ比べが行われ、参加者はうま味が料理に果たす役割を再認識した。

テイスティング |

タイの鶏粥 |
チュランコーン大学食品工学科教授のスヴィモル・カーティピブン博士は、うま味の素となるグルタミン酸やイノシン酸について科学的に解説。参加者はここで、昆布とかつお節でとった日本のだしを実際に味わい、うま味の相乗効果も体感した。またパネルディスカッションでは、タイ調理師連合会長のジャムノン・ニルムサン氏が「私はシェフとして料理をどうしたらおいしくできるかは経験的に知っていても、なぜおいしくなるかを考えてこなかった。うま味についての科学的な知識を得ることで、素材とうま味の組み合わせを考慮できるようになり、今後の料理技術の開発に大きく役立つことになるだろう」と述べた。またディスカッションでは、油や砂糖や塩などに頼りすぎる事なく、料理をおいしくできる点でのうま味の魅力も挙げられた。
イベント後の参加者の感想は非常に良好で、特にうま味の効果を実際に自分の舌で確かめて理解できたという点で大きな反響があり、うま味の豊富な自国の料理の魅力を改めて見直したという声が多く挙がった。
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