食材別うま味情報 卵・肉類

全 卵

鶏卵には、アミノ酸バランスのよい良質のタンパク質と、それが体内で代謝されるときに必要なビタミン(B₆など)が含まれる。そのため牛乳とともに完全食品といわれている食材。うま味成分は卵黄にグルタミン酸が含まれる。卵白はアルブミンというタンパク質がほとんどで遊離アミノ酸は微量しか含まれない。タンパク質は分子のサイズが大きいために味を感じない。生のまま、あるいはゆで卵や卵焼き等、様々な調理法がある一方、お菓子の主要な材料となっている。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):10~20

牛 肉

肉専用和種には黒毛和種、褐毛(あかげ)和種、日本短各種、無角和種に分類され、黒毛和種が90%以上を占める。“霜降り”とは、筋繊維の細い肉の間に細かく脂肪があり、最も優れた肉質と評される。牛肉は屠畜後約20日間熟成させた後に市場に出回る。肉自体の持つ酵素の働きによりタンパク質が分解され、アミノ酸が増え、グルタミン酸も増し、肉質が柔らかくなり、風味が増す。また、すき焼きは牛肉のうま味と野菜やきのこなどの食材のうま味や醤油などのうま味を掛け合わせた日本食の代表例。

  • イノシン酸含有量(mg/100g):80
  • グルタミン酸含有量(mg/100g):10

豚 肉

豚は、ヨーロッパからアジアにかけて分布していたイノシシを家畜化したもので中国での食用の歴史が最も長く、現在の消費量も多い。豚肉を使用した中国料理には酢豚、回鍋肉(ホイコーロー)、豚の角煮、また、金華ハムを使った代表的なだし汁(湯:たん)がある。豚肉にはうま味成分としてイノシン酸が多く含まれており、その国の野菜や調味料とを組み合わせ、うま味の相乗効果を活用した料理が多くの国々で食されている。

  • イノシン酸含有量(mg/100g):230
  • グルタミン酸含有量(mg/100g):10

鶏 肉

鶏肉(とりにく)はニワトリの肉の事をさし、野生種が家禽化され、現在流通している鶏肉のおよそ90%はブロイラー(食肉専用に改良された肉用若鶏で飼育50日間)である。近年地鶏や銘柄鶏の人気も高まっている。味が淡白なのが特徴で、脂肪分が少なくダイエット食としても人気がある。鶏肉にはイノシン酸が大変多く含まれており、揚げ物、煮物、蒸し物といったあらゆる調理法が可能で、野菜や調味料との組み合わせによるうま味の相乗効果を活用した料理が世界各国に多数ある。

  • イノシン酸含有量(mg/100g):150~230
  • グルタミン酸含有量(mg/100g):20~50