野菜のうま味(トマト・トマトソース)
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| ヘストン・ブルメンタール氏 |
トマトにはうま味成分のグルタミン酸が豊富に含まれており、熟すにつれてグルタミン酸の量が増えます。(→「うま味を多く含む食品」の冒頭参照)真っ赤に熟れた生トマトを使って作るトマトソースには、トマトのみを煮詰めるシンプルなものから玉ねぎや香草を加えるものまでいろいろなレシピがありますが、たいていの作り方に「トマトは皮を湯むきして種を取り…」とあります。
イギリスの三ツ星レストラン「The Fat Duck」のオーナーシェフ、ヘストン・ブルメンタール氏(→活動履歴 料理人と味覚研究者による座談会 うま味座談会 参照)は、味の点から、種の部分を取り除くことに疑問を抱き、英国レディング大学食品生物科学部との共同研究を行い、論文(*)にまとめ、報告しました。その内容を紹介します。
<トマトの外側と内側のグルタミン酸量の測定>
サンプル:
サラダ用トマト4種、ミニトマト6種、プラムトマト3種、ステーキ用トマト1種の計14種につき、皮は湯むきし、外側と内側(種を含む)とに分け、各々細かくする
分析:
1) 遊離アミノ酸量、核酸量等を測定
2) パネラーにより、トマトの外側と内側を味わい、プロファイル評価を実施
結果:
1) うま味成分(グルタミン酸)の分析結果をグラフに示します。
トマトの内側の方がグルタミン酸量が確かに多いです。
2) パネラーによる評価の結果、後味のうま味の強さにおいて、トマトの内側の方が外側よりも強い、と評価されました。(有意差5%)
トマトソースは、一般に肉や魚と一緒に盛り付けられ、その肉や魚にはうま味成分の核酸の「イノシン酸」が含まれています。トマトのグルタミン酸とイノシン酸によるうま味の相乗効果が起こり、一層うま味が強く感じられます。そのことからもトマトの内側部分でソースを作ることは有意義と言えそうです。トマトソースを手作りする際には、これからは種の部分も捨てずに是非活用してください。
(*)J. Agric. Food Chem., 55 (14), 5776 -5780, 2007.
Differences in Glutamic Acid and 5'-Ribonucleotide Contents between Flesh and Pulp of Tomatoes and the Relationship with Umami Taste
Maria-Jose Oruna-Concha, Lisa Methven, Heston Blumenthal, Christopher Young, and Donald S. Mottram* Department of Food Biosciences, University of Reading, Whiteknights, Reading RG6 6AP, United Kingdom, and The Fat Duck Restaurant, Bray, Berkshire SL6 2AQ, United Kingdom
なお、ブルメンタール氏は、英国BBC放送の「In Search of Perfection 2」に出演しており、その番組中でも実際にトマトの内側を使用したトマトソースを披露しています。
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