日本の 郷土料理と うま味
岡山県 の郷土料理

ばらずし

ばらずし

岡山県の郷土料理「ばらずし」。江戸時代、備前岡山の初代藩主であった池田光政は、家来や国の人々に贅沢をしないようにと、「食事は一汁一菜とする」という倹約令を出しました。「一汁一菜」とは、汁物以外に副食を一品に制限するというもので、その倹約令に対抗し、たくさんの具をのせても「一菜」になる「ばらずし」が庶民の知恵から生まれたと言われています。  瀬戸内と中国山地に囲まれた岡山では、新鮮な海の幸と山の幸が豊富に採れ、その様子がばらずしの具材からも見て取れます。海の幸は、岡山の特産品でもあるさわらをはじめ、ママカリやえび、も貝など。山の幸では、季節ごとにとれる豊富な山菜のほか、たけのこやレンコン、絹さやなどが使われます。それぞれの食材を別々に味付けし、酢飯の中に中具材を混ぜ込みます。最後に飾り付けとなる魚介類・山の幸などを錦糸卵の上に盛りつければ完成です。また、ちらし寿司との違いは、具材を「酢飯に乗せる」ちらし寿司に対して、「酢飯に中具を混ぜる」のがばらずしの特徴です。

一汁一菜のおかずとしては、とても豪華な一品です。どの具材にもうま味は豊富に含まれていて、季節の野菜のうま味も味わいと色どりを加えてくれています。

材料

(4人分)
・米 2合
・卵 4個
・干ししいたけ 10g(水750ccでもどす)
・えび4尾
・しょうが15g
・さわら120g
・きぬさや40g
A{れんこん100g、にんじん60g、ごぼう60g、ゆでたけのこ70g、ちくわ50g}
B{れんこん50g、にんじん40g}
C{も貝(さるぼう貝)の佃煮50g、ままかり甘酢漬け4尾、紅しょうが25g、木の芽4枚}

調味料
D(具材用煮汁):干ししいたけのもどし汁600cc、砂糖60g、うす口しょうゆ30cc、濃口しょうゆ30㏄、塩3g
E(さわらの合せ酢):酢25cc、砂糖10g
F(れんこんの甘酢):酢25cc、水25cc、砂糖15g、塩1.5g
G(錦糸卵):砂糖35g、塩2g
H(すし酢):米酢40cc、砂糖30g、塩7g

つくり方

① 米は炊いておく。えびは殻と背ワタを取る。しょうがはせん切りにする。

② Aと干ししいたけの半量を食べやすく切り、Dで煮る。具と汁を分ける。

③ ②の汁で残りの干ししいたけを煮てそぎ切りにする。さらに残り汁にしょうがを加えてえびを煮る。

④ さわらはそぎ切りにして塩(分量外)をして5分おき、水分をふき取りEにつける。

⑤ Bを飾り用に切る。れんこんは熱湯に酢を入れてゆで、Fに漬ける。にんじんときぬさやを塩ゆでする。

⑥ 卵をGで調味し、錦糸卵を作る。

 炊いた米にHを合わせ、②を加えて混ぜ器に盛る。③④⑤⑥とCを飾る。

POINT

  • 米は、炊き上がりにすし酢を合わせるので水分を少な目にして炊いてください。また、昆布を入れて炊くと、うま味が加わりさらにおいしく召し上がれます。