食材別うま味情報 野菜・豆

ドライトマト

ドライトマトは、トマトの保存性を高めるために塩を加え天日干ししたのがはじまり。乾燥したものをオリーブ油に漬けたタイプや無塩のタイプも市販されている。トマトにはうま味成分のグルタミン酸が多く含まれており、乾燥することで水分が減り、濃縮されることでさらにグルタミン酸の量が多くなる。また、干すことで 核酸系のうま味成分のグアニル酸が生成される。調理の際にはそのままを刻んでサラダのトッピングにしたり水戻しして柔らかくしてから煮物にしたり、利用範囲が広い。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):650〜1140
  • グアニル酸含有量(mg/100g):10

グリーンピース

別名みえんどう、青えんどうと呼ばれ、えんどうまめの未熟な豆を食用とするもの。多くが冷凍品や水煮缶詰に加工される。食物繊維が豊富で、その鮮やかな色味から和洋中さまざまな料理に用いられる。グリーンピースは豆に実る途中で収穫するために甘味やうま味が急速に低下しやすい。保存はさやつきのまま低温(1℃)に保ち、できるだけ早い時期に食べるほうがおいしい。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):110

れんこん

原産地はインドあるいは中国と言われるハス科の地下茎で、池や沼で栽培される。うま味成分のグルタミン酸が多く、ビタミンCも豊富。地下茎のため、デンプンも多い。きんぴら、酢の物、煮物、揚げ物などに利用される。旬:11月~2月

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):100

にんにく

ユリ科ネギ属の多年草で、古代エジプトで既に栽培されており、球根(鱗茎)を食用にする。独特の辛味と硫化アリルによる臭気を持つ。中華・西洋料理では炒め物の香りづけ、煮込み、ソース、ドレッシングなど広く利用され、日本料理では主に薬味として使われることが多い。グルタミン酸が含まれている。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):100

とうもろこし

南米アンデスが原産地で、日本への到来は16世紀。小麦・米とともに世界三大穀物の一つ。 生食用のスイート種のとうもろこしのおいしさは、うま味成分のグルタミン酸と甘味成分のスクロース(ショ糖)による。 とうもろこしの実(胚乳)には主に糖質が多く、胚芽には遊離アミノ酸や脂質が多い。生食用のとうもろこしは収穫後の甘味やうま味の低下が著しいため、低温保存し早いうちに食べる方がおいしい。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):70~110

春菊(しゅんぎく)

(春菊)春に黄色い花をつけ、菊に似た独特の香りをもつことからこの名を持つ。地中海沿岸部原産と言われているが食用にするのは中国と日本など。グルタミン酸を多く含み、カリウム、カルシウム、鉄、カロチン等も豊富。鍋物の具材のほか、芳香を活かして生でサラダに用いたり、天ぷらのネタとしても好まれる。旬:11月~3月。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):80

大 豆

古事記の時代から大豆は摂取されておりその歴史も古い。タンパク質を多く含むことから「畑の牛肉」とも言われる大豆は、栄養価の高い食品として知られている。大豆を使った味噌、醤油、豆腐、納豆、油揚げ等、日本食には欠かせない。また、味噌や醤油は、発酵により大豆のタンパク質がアミノ酸に分解され、グルタミン酸が多く含まれている。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):30〜70

そら豆

地中海、西南アジアが原産地と推測されており、若いそらまめの実を野菜として利用。大豆アレルギーの人に代替品として使うこともある。塩ゆでにしたり、さやごと焼いて食べたり、サラダ、炒め物、煮物などに広く使われる。旬は5月から6月。そらまめは、豆に実る途中で収穫するために甘味やうま味が急速に低下しやすい。保存はさやつきのまま低温(1℃)に保ち、できるだけ早い時期に食べるほうがおいしい。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):60〜80

白 菜

アブラナ科で起源は地中海沿岸とみられるが、栽培種は中国が原産。東洋を代表する野菜のひとつだが、日本での栽培は明治時代以降と意外に歴史は浅い。鍋物や炒め物、汁物、漬物などで用いられるおなじみの食材。白菜自体の味は淡白だが、グルタミン酸が多く含まれており、その他の食材とかけ合わせることでうま味が増す。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):20〜90

じゃがいも

生食、加工品ともに世界規模で食されている。冷害に強く穀物の育ちにくい国でも栽培が比較的容易。肉じゃが、カレー、コロッケなどの料理で使用される他、フライドポテト、ポテトチップスとして軽食的な位置づけで食したり、デンプンを片栗粉として加工したりする。じゃがいもは、0度付近で氷温冷蔵し長期保存すると糖度が増し甘くなる。スープの具材にジャガイモを用いるとジャガイモ中のグルタミン酸が汁に溶出し、うま味が増す。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):30〜100

さつまいも

痩せた土地でも栽培しやすいことから、日本各地で栽培されている。さつまいもには、デンプンを糖に分解する酵素(アミラーゼ)が多く含まれるので甘味がある。石焼き芋をはじめとした食用はもちろんのこと、その甘みを利用して干し芋、スウィートポテトなど菓子の材料として用いられる他、焼酎としても加工される。うま味も含まれている。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):60

ほうれん草

とりわけ冬においしくなる代表的な緑黄色野菜。原産地は西アジアのコーカサスからイランにかけて。あく(シュウ酸)があるので、茹でて水にさらして食す。うま味成分のグルタミン酸をはじめ、鉄、カリウム、カロチン、ビタミンC、葉酸等が豊富。お浸し、和え物、炒め物、ポタージュ等、使用範囲の広い野菜。なお、近年生食用に改良されたサラダ用ほうれんそうも栽培されている。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):50〜70

にんじん

カロチンがずば抜けて多く含まれている緑黄色野菜。生食の他、炒め物や煮物にも使用でき用途は広い。和洋中どの料理にも広く使われるが、きんぴらごぼう、肉じゃが、筑前煮など、だしや醤油との相性も良く日本食の中でも脇役的な野菜として使われる他、色のバランスが良いことから肉料理の付け合わせとしても用いられる。スープや煮物などでは汁にグルタミン酸が溶出し、汁のうま味が増すが、茹野菜として用いる場合にはうま味が減ってしまう。蒸し料理にするとグルタミン酸の溶出を防ぐことができる。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):20〜80

たけのこ

たけのこは、竹の幼茎で地面から芽の出かけているものを食用とし、春を告げる食材として好まれる。たけのこは掘り出し直後からえぐみが急激に増加することから、極力早いうちに調理や下ごしらえを行う。切り口に出る白い粉はチロシンというアミノ酸の一種でありうま味はない。うま味を保つには冷蔵(1℃)保存するとグルタミン酸は減らないが、20℃で保存すると2日で約半減してしまう。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):14〜90

アスパラガス

ユリ科の野菜で若茎を食用にする。アミノ酸の一種のアスパラギンを多く含みアスパラガスの命名の由来となった。和洋中の料理に幅広く用いられる。茎の上部の穂の方にグルタミン酸が多く、下部の方に糖分が多い。 土寄せをして日を当てないように栽培したものがホワイトアスパラガス。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):30〜50

大根

大根は日本においては品種・調理法とも豊富で、日本の食生活に欠かせない野菜の一つ。ビタミンCが多く、消化酵素のアミラーゼが豊富。大根をすりおろして肉や魚の薬味として用いると大根のうま味成分のグルタミン酸と肉や魚のうま味成分のイノシン酸とでうま味の相乗効果が起こり、うま味が強くなり、おいしさが増す。煮物ではだしを含むことで大根そのもの素材の持ち味が引き立つ。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):30〜70

キャベツ

アブラナ科の野菜で種類も多く、季節によって結球の強さ、葉の柔らかさが異なり冬キャベツは結球が強く葉がかため、春キャベツは結球がゆるく葉が柔らかく、夏キャベツは結球はかたいが葉は柔らかめ。一年中供給されている。生食でも炒め料理、煮込み料理と幅広く使われる。なお、どの季節に収穫されたものにもグルタミン酸は多く含まれている。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):30〜50

玉ねぎ

ユリ科の野菜で鱗茎(りんけい)を食用にする。日本には明治初期に導入された。独特の刺激臭は硫化アリルや硫化プロピルによるもので、これらはビタミンB1の吸収を助ける働きがある。グルタミン酸が多く含まれており、玉ねぎそのものがおいしいが、スープ等で煮込むと料理全体にうま味が広がる。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):20〜50

長ねぎ

ユリ科の植物で、中国原産。葉鞘部が白く太い根深ねぎ、細い葉身が多数分かれた葉ねぎなど種類が多い。特有の香りのもとであるアリシンがビタミンB1の吸収を高める。さまざまな食材の相性がよく、和洋中どの料理にも幅広く活用されている。葉ねぎの方が根深ねぎよりもカロチン、ビタミンC、カルシウムが多く、また白色の部分は糖分が多い。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):20〜50

ブロッコリー

地中海沿岸の原産で、日本へは明治初期に渡来した洋野菜。キャベツの変種でつぼみと茎の部分を食用とする。つぼみにも茎にもうま味成分のグルタミン酸が含まれ、ビタミンや鉄、食物繊維が豊富。肉や魚介類との相性が良く、茹でてサラダに、また炒め物にも好まれる。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):30〜60

セロリ

茎の色が淡緑白色や濃緑色の品種があり、ミネラルが多い野菜で、葉には茎の部分の倍のカロチンが含まれている。葉、茎ともに強い芳香が特徴でブイヨンを調理する際にくさみを取る香辛野菜として使われる。新鮮なものは比較的香りは弱く、甘味がある。生でサラダに、また肉や魚介と合わせた炒め物にもよく合う。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):20〜30

ごぼう

根を食用とする根菜で強い歯ごたえがある。日本の食生活では、炒め物や煮物に欠かせないが、他の地域では馴染みの薄い野菜。食物繊維や抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富。皮の部分の方が中心部よりもグルタミン酸が多く含まれている。皮を包丁でむかず、たわしで洗う程度で皮ごと調理するのがお勧め。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):2〜20

しょうが

ショウガ科の野菜でインド原産。しょうがの根茎の根しょうがは、種しょうがから分かれて出てきたものを新しょうが、2年以上経った種しょうがをひねしょうがと呼ぶ。独特の辛味とさわやかな香りが特徴。うま味も含んでいる。香味野菜、肉や魚の臭み消し、煮物、炒め物に加えるなどの役割が大きい。

  • グルタミン酸含有量(mg/100g):20