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「湯島山緑泉寺」の青江覚峰住職 VOL.3

  • 湯島山緑泉寺住職 青江覚峰

VOL.1では『料理僧』として活躍される住職、青江さんの話と精進料理のだし、 VOL.2では精進料理のひとつ「もどき料理」について紹介しました。最終回の今回は食材を使い切る料理の話です。

飛竜頭と書いてがんもどき。豆腐をつぶして野菜をいれ油で揚げたものですが、青江さんは週に一回はそれを作っているそうです。その理由が野菜や昆布など余ったものをおいしく食べるためなのです。アスパラの皮、人参の端っこ、蕪や大根の葉っぱ、だしをとった後の昆布や椎茸等々、全部入れることでおいしくいただけるそうです。「野菜には野菜それぞれのうま味があります。それを掛け合わせることは相乗効果であり、必ずおいしくなります」と青江さん。食材を使い切るということも大切ですが、使い切ることでおいしくなるなら一石二鳥ですね。「使い切ろうと考えすぎないことです。余ったものは土に返すのもひとつの方法です。虫や鳥、植物の栄養素になります。食材それぞれが最後まで役割をもつ、もたせることこそ、大切だと私は考えています」。
そんな青江さんから、蕪をまるごと使う料理も教えてもらいました。

■蕪蒸し
<材料>
蕪 2個(茎の付け根の部分も使う。葉っぱを入れて400g)、長芋 50g、片栗粉 大さじ1、塩 ひとつまみ、薄口醤油 少々、水溶き片栗粉(片栗粉を同量の水で溶く)適量
A{昆布だし100cc(昆布の種類によってだしの出かたと味が異なるのでお好みで)、薄口醤油 大さじ2}
<作り方>
① 蕪をよく洗い皮ごと擦りおろし、ざるで水気をよく濾しておく(a)。この水気は後で使うのでとっておく(b)。茎の付け根の部分は泥をよく落としておく(c)。
② ボウルに(a) 、おろした長芋、片栗粉、塩ひとつまみを加えよく混ぜ、耐熱茶碗に入れる。
③ 蒸し器に②を入れ5分経ったら、塩(分量外)を降った(c)を入れ、蒸し器でさらに15分蒸す。
④ 蕪の茎、葉を熱湯にくぐらせ、よく水気を切ってからAに15分ほどつけておく。
⑤ 鍋に(b)をいれて中火にかける。沸騰したら弱火にし、丁寧にあくを取り、薄口醤油を味を見ながら加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
⑥ 蒸しあがった③に⑤をかけ、④と(c)を飾る。

お寺には「四分律行事鈔(しぶんりつぎょうじしょう)」という5つのお経があります。これは食前の「いただきます」と言う習慣と同じではありますが、もう少し、食材のこと、食べる意味、生きる意味などを考えてから食べましょうというものです。 5つのお経のうち4番目に書かれているのが、自分の身体の内部に目を向けるもので、食べたものは自分の血や肉になる、つまり、目の前の食べものは、明日の自分、未来の自分をつくってくれるもとなんだという教えです。そう考えると、目の前の料理がいとおしくなりますね。うま味が活かされたお寺のごはん、ぜひ作ってみてください。

「湯島山緑泉寺」の青江覚峰住職 VOL.1

「湯島山緑泉寺」の青江覚峰住職 VOL.2