PLANT BASED ✕ UMAMI

「ode」の生井祐介シェフ VOL.2

  • ode 生井祐介

Vol.1では「ode」生井祐介オーナーシェフの考えられる野菜とうま味についてご紹介しました。野菜の可能性をあらゆる調理手法で研究される生井シェフですが、取材中に「あ!そういえばいま、白菜を焼いています」と見せてくれました。白菜をまるごとオーブンに入れ低温で焼く。オイルも何も入れてなくても自らの水分で調理され、キャラメリゼされた香りになる。さらに手を加え、スープに入れるとにゅるっとした食感がユニークで、咀嚼したときに舌の奥から涎が出てくるような凝縮したうま味を感じるそうです。白菜のこんな使い方、さすが生井シェフです。

さて、そんな生井シェフにうま味を活かしたプラントベースフード料理を1品ご紹介いただきました。その具材となるのがVol.1で紹介した茹でて乾燥させた「蕪」です。いただいたら、びっくりでした。食べた瞬間に、嘘でしょ、お肉が入っているでしょう?という声が出ました。プラントベースフードとは思えない逸品です。ぜひ、みなさまも味わってみてください。

■乾燥カブのパイ包み
<材料>(1個分)
蕪10個(乾燥すると1/10ぐらいに凝縮されます)
野菜だし(玉ねぎ、ニンジン、セロリベースにその時々の端材野菜でとった出汁) 250ml
ローズマリー適量
シェリービネガー適量
パイ生地(市販のものでも可)1枚
卵黄1個
<卵黄ソース>卵黄5個、水30ml、塩適量、澄ましバター適量、エシャロット(玉ねぎで代用可)適量

<作り方>
①蕪10個を櫛形にカットし芯まで火が入るように茹でる(茹で過ぎ注意)
②乾燥機のある方は75℃で半日以上乾燥し7割くらいのイメージに乾燥させる
 天日干しの方は蕪が1/3から1/4になるまで干す
③乾燥させた蕪を野菜出汁を含めながら煮ていく
④みじん切りにしたローズマリーとシェリービネガーで酸味と風味を足しながら加熱して冷ます
⑤延ばしたパイ生地に卵黄を塗り、中心に蕪をおき、もう一枚のパイ生地で上から蓋をして卵黄を塗り成形する
⑥冷蔵庫でしっかり生地をなじませてから5分ほど室温にもどす
⑦250℃のオーブンで8分、向きを変えて8分、合計16分焼く
⑧<卵黄ソース>卵黄と水、塩をボールに入れ、湯煎にかけながらホイッパーで撹拌する
⑨澄ましバターを入れ、エシャロットを仕上げに入れてから漉し、パイ包みにかけて完成(写真はエスプーマを使用)

「ode」の生井祐介シェフ VOL.1