うま味インフォメーションセンター

活動報告

南米うま味食材調査

2012.01.02

日  時 2011年12月2日~5日
イベント名称 南米うま味食材調査
場 所 ペルー北部イキトスのアマゾン川流域
主催者 うま味インフォメーションセンター
参加者 シェフ、科学者、ジャーナリストなど合計26名
報告者 NPO法人うま味インフォメーションセンター 吉田真太郎

2010年5月に開催した「シェフが語るペルー料理 - 豊かな食材と伝統のうま味 -」(主催:うま味インフォメーションセンター)に参加した小西紀郎シェフは、「ペルーは豊かな食材に恵まれています。素材の味そのものを活かした料理は日本料理の考え方と共通していて、そこが日本人の味覚に合うのだと思います。」とペルー料理を紹介しました。ペルーを原産地とする農産物は多く、豊かな自然に育まれた食材には、きっとうま味が豊富に含まれているに違いないと考えました。

そこで、アマゾンツアーを催行するAQUA Expedition社に協力をいただき、アマゾン原産のうま味食材情報を収集することを目的に、ペルー北部イキトスのアマゾン川流域で食材調査を実施いたしました。調査には、世界各地に展開するNobuレストランのオーナーシェフでペルー親善大使でもある松久信幸氏、日本を代表する料亭「菊乃井」主人の村田吉弘氏、米国モネル化学感覚研究所所長のGary Beauchamp博士、ブラジルのTordesilhasレストランのオーナーシェフのMara Salles女史、AQUA Expedition社の総料理長でアマゾンの食材を良く知るPedro Schiaffino氏が参加、また日本、ペルー、ブラジルのメディアも参加しました。

調査は12月2日から5日までの4日間行われ、その結果Araza(アラザ:果物)やMacambo(マカンボ:ドリアンやカカオと同じアオイ科の果物)の果実やアマゾン特有の食材Tucupi(トゥクピ:ユカ(キャッサバ)の発酵液体)にうま味があることを発見しました。

これまで、果物にうま味が豊富に含まれているという例は無く、新たな発見により、料理人、科学者、ジャーナリストそれぞれの視点からうま味について活発な意見交換を行って理解を深めました。 さらに、Mara Salles氏はTucupiを、村田氏はGamitana(ピラニアの一種)とMacamboを、松久氏はPaicheを材料にそれぞれ調理を行いました。アマゾンの食材がもつうま味と、それを活かして調理する3人のトップシェフの技術に参加者全員から称賛の声が上がりました。

今回の調査で、未だに知られていないうま味に富んだ食材がまだまだ存在するということがわかり、うま味インフォメーションセンターにとっても貴重な情報となりました。

今後も、様々な活動を通して、うま味に富んだ食材を発見すると共に、その食材を使って世界中にうま味を普及していきたいと考えています。

マカンボを使ったソースの試作
マカンボを使ったソースの試作
取材対応中のシェフたち
取材対応中のシェフたち
アラザ
アラザ
マカンボ
マカンボ