うま味インフォメーションセンター

活動報告

【開催報告】 2013うま味レクチャーin浜松 「うま味を知る!食材を活かす!」-うま味が引き出すふじのくにの食材の魅力-

2013.12.05

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NPO法人うま味インフォメーションセンターは、東海調理製菓専門学校との共催で、11月22日(金)午後1時より、「2013うま味レクチャー in 浜松」を開催いたしました。

本レクチャーは、新潟、福岡に続いて3回目となる調理師学校との共催のイベントで、料理人、シェフ、栄養士、調理師学校教職員、料理研究家など、食の専門家の方々を対象に、日本料理、中国料理、フランス料理の第一人者が、トークと調理デモンストレーションを交えて、うま味が引き出すふじのくにの魅力を語り、うま味についての理解を深めていただく内容です。

東海調理製菓専門学校松島静香さんの司会で開会し、当センター栗原堅三理事長および学校法人ミズモト学園水元重友理事長の主催者挨拶につづき、当センター二宮理事によるうま味講義を行いました。
うま味講義では、5つの基本味とその味物質の特徴、食品中のうま味物質について説明し、うま味がどのような味なのかをプチトマトを試食して体感しました。次に日本料理のだし、西洋料理のブイヨン、中国料理の上湯に含まれるアミノ酸、うま味成分の違いからそれぞれのだしの特徴を解説、また発酵や熟成を例に上げ、うま味物質の濃縮や蓄積などのうま味の使い方を紹介しました。さらに、野菜ブイヨンを使い、食塩0.2%のものと食塩に加えうま味物質であるグルタミン酸ナトリウム0.05%を加えたものを飲み比べ、うま味の効果を体験しました。そして、うま味の特徴について、微妙な、淡い、デリケートな味、心地よい後味と満足感、持続性のある味、口の中あるいは舌全体に広がる味などという海外のシェフの言葉を紹介し、うま味を活用し、おいしくヘルシーにというコンセプトのために、世界のシェフが新しいうま味素材を求めている事例を解説しました。

続いて、日本料理の村田吉弘氏、中国料理の脇屋友詞氏、フランス料理の山口浩氏から、それぞれの料理におけるうま味を活かしただし・スープとそのだし・スープを使い、ふじのくにの食材のうま味を引き出す料理のデモンストレーションを行いました。

「菊乃井」主人の村田吉弘氏のレクチャーでは、始めに二宮理事のうま味講義を受けて昆布だしとかつお節使ってうま味の相乗効果を体験しました。参加者に配られた昆布だしをまず半分だけ飲み、次にかつお節を口に含んで良く噛み、その後にもう一度残った昆布だしを飲むと、最初に味わった昆布だしよりもずっと強いうま味を感じます。これがうま味の機能の一つである相乗効果です。

次に、海外で講演される際のだしの材料についてお話をされ、海外で一番だしを引くときに必ずしも昆布やかつお節が手に入るわけではないので、その国にある食材を使ってだしを引くこともありますというお話から、干しモリーユ茸、白菜、大根などの野菜と鶏胸ひき肉を使い、本邦初公開となる静岡だしをデモンストレーションで紹介されました。さらに、この静岡だしを使い、フランス料理の調理法を応用して醤油風の豚醤油の作り方を紹介し、それぞれを試飲しました。そして、試食用メニューとして、静岡だし、豚醤油、卵白、豆乳などを材料に、白い茶碗蒸しの調理デモンストレーションを行いました。参加者の方々は、村田氏の新しいアイデアと調理法に驚きと感嘆の声を上げていました。

続いてのご登壇は、「Wakiya一笑美茶樓」オーナーシェフ脇屋友詞氏です。 脇屋シェフのレクチャーでは、まず始めに中国料理の代表的なだしである上湯の調理デモンストレーションを行いました。金華ハム、豚スネ肉、老鶏と10年ほど前から昆布を材料に加えるようになり、豚肉、鶏肉のイノシン酸と金華ハム、昆布のグルタミン酸の相乗効果により、うま味がぐっと強くなり、よりおいしい金華上湯が作られるようになったと解説されました。さらに、この上湯と静岡名産の玉露のお茶を4:6の割合で合わせ、一味違った玉露金華上湯を試飲いたしました。

次に、静岡の特産品である生桜海老と干し貝柱、にんにく、エシャロット、生赤唐辛子を使って、桜蝦仁XO醤(桜海老と干し貝柱のXO醤)の調理デモンストレーションを行いました。生桜海老のイノシン酸と干し貝柱、にんにくなどのグルタミン酸によるうま味の相乗効果で、おいしい醤が出来上がりました。そして、茶碗に盛った白飯の上にこの桜蝦仁XO醤を載せ、温めた玉露金華上湯を上から注いで玉露上湯飯が出来上がりました。桜蝦仁XO醤、玉露金華上湯という静岡の食材によるうま味の相乗効果に感嘆の声が上がりました。

最後のご登壇は、「神戸北野ホテル」総支配人・総料理長の山口浩氏です。 フランス料理の第一人者山口シェフのレクチャーでは、鶏のコンソメとトマトウォーターを使ったうま味の相乗効果の体験から始まりました。鶏のコンソメの中に半球型に凍らせベジタブルゼラチンでコーティングしたトマトウォーターを浮かべ、口の中で初めに鶏のコンソメのイノシン酸を感じ、次に弾け出たトマトウォーターのグルタミン酸と混ざることでうま味の相乗効果を感じる事が出来ました。

次に、この鶏コンソメを使った「ロメインレタスと豚足うま味煮込み」の調理デモンストレーションを行いました。下ゆでして骨を取り除いた豚足に豚肉、シャンピニオン、エシャロットを卵白、生クリーム、塩、胡椒、キャトルエピス、ジュードトリュフ、コニャックで味を調えたファルスを詰め、クレピネット(網脂)で巻いて焼きます。さらに焼き色がついたら、たまねぎ、人参。セロリなどグルタミン酸の豊富な野菜とフォンドヴォーで煮込み、円柱状に切ります。ロメインレタスは、ベーコンとコンソメで煮込み、盛り付けた豚足に添えます。豚足のゼラチン、ロメインレタスにもうま味成分が豊富で、うま味たっぷりの一品が出来上がりました。山口シェフの華麗で魔法のようなテクニックに会場からため息が漏れました。

この後、村田シェフの「白い茶碗蒸し-静岡だしと豚醤油を使って-」、脇屋シェフの「玉露上湯飯-玉露と極上澄まし茶漬け 桜蝦仁XO醤添え-」、山口シェフの「ロメインレタスと豚足のうま味煮込み」を全員で試食し、うま味が引き出すふじのくにの食材の料理に感嘆の声を上げました。

最後に、本日のレクチャーに対する質疑応答とご登壇された3人のシェフ、二宮理事からのコメント、そして本日お手伝いをいただいたアシスタントの方々、東海調理製菓専門学校の先生、学生の皆さまを紹介し、当センター山本 隆副理事長の閉会挨拶でうま味レクチャーを終了いたしました。

当日は東海調理製菓専門学校の会場に81名の方が参加され、ご参加の皆さまから、日本料理、中国料理、フランス料理に共通するうま味が良く理解出来ました、トップシェフのうま味を活かしたおいしい料理を堪能した、是非また開催して欲しい等、大変高い評価をいただきました。尚、本レクチャーの様子は翌日の中日新聞、静岡新聞に掲載され、また月刊誌「料理王国」2月号で紹介される予定です。

当センターでは、うま味の理解・普及に向けて、このような活動をこれからも続けてまいります。
引き続きご支援よろしくお願い申し上げます。