うま味インフォメーションセンター

活動報告

フランス ポール・ボキューズ・インスティテュートでの第二回うま味レクチャー

2015.12.01

フランス第二の都市、ガリア王国時代の首都であったリヨンは、独自で豊かな食文化を誇ると同時に敬愛されるシェフ、ポール・ボキューズ氏誕生の地です。ボキューズ氏の名を冠するポール・ボキューズ・インスティテュートには好奇心あふれる学生たちが集まり、新しい味覚を学ぼうとうま味講義に参加しました。


二宮理事のうま味講義の冒頭で「umamiという言葉を聞いたことがありますか」の質問に対し、ほぼ全員の手があがりましたが、「どんな味か教えて」という問いかけには自信を持って答えた学生はいませんでした。そこで、二宮理事はスライドで、デュクセル ド シャンピニオン(細かく刻んだマッシュルームをじっくり炒めたもの)、トリュフジュース、デグラッセ(肉料理を調理した鍋についた煮詰まった煮汁や肉汁をワインに溶かしたもの)、コンテ(フランスの長期熟成チーズ)の写真を見せ、「これらの味をどのように説明しますか? 甘味、塩味、酸味、苦味の四つの味で説明できますか」の問いかけに対し、「四つの味が混ざり合ったもの」との回答。他の生徒は考えたこともなかったという表情。実はこれらの味の中にはumamiがあるという解説から、ドライトマトの体験、講義がスタートしました。 うま味基本情報の説明ののち、野菜ブイヨンのみとそこにグルタミン酸ナトリウムを加えたものの2つを飲み比べた生徒たちに「二つの味の違いがわかるか」との問いかけたところ、「バランス」「広がり」「深み」が強まっているとの答えが上がり、うま味を加えることで味の満足感、唾液分泌を促進し消化力を向上させることも理解していただけました。


続いて著名な2人のシェフの登壇となりました。パリ、ホテル・コスト料理長、矢部正氏とピエール・ガニエールやヤニック・アレノ、ミッシェル・トロワグロら名だたる料理人たちのシェフ・パティシエとして活躍したのち、2012年にパティスリーのコンサルティング会社、AROMEを立ち上げた長江桂子氏のお二人です。


矢部シェフは帆立貝とフォワグラを使い、あふれる才能とうま味を活かして洗練された二品を調理実演されました。同時に彼はうま味が美味しさの全てではなく、他の要素(香り、テクスチャー、他の味等)との組み合わせとバランスが重要と強調されました。 長江桂子氏はパルミジャーノ・レッジヤーノクリームのアイスクリームとタマリロソルベの二品のデモンストレーションを行いました。その中で長江氏は、コース料理の最後に出すデザートでは、甘味を控え、うま味のあるものを要素として加えることで、全体の味に変化やメリハリがつく、と解説しました。続きテイスティングも大変好評でした。


今回の聴講者の方々が、うま味について耳で聞くだけでなく自分の舌で味わうことで、うま味の力をみずから実感、更にシェフたちのデモンストレーションを間近に見て、彼らがどのようにうま味を自分の料理に活かしているかを学んでいただけたと確信しております。また同時に、うま味だけが料理に与えることができる機能を理解していただけたと実感しております。


うま味インフォメーションセンターでは、うま味の理解を深めていただくために、料理学校でのレクチャーなど様々な機会を通してうま味講義を実施・支援をしてまいります。