うま味インフォメーションセンター

活動報告

マレーシア ペナン島でのうま味ワークショップ支援

2016.11.16

  • 日  時   :2016年9月28日 12:30-17:00
  • 場  所   :ペナン島 OLIVE TREE HOTEL
  • 主 催   :マレーシア味の素社
  • 共 催   :ペナンシェフ協会、NPO法人うま味インフォメーションセンター
  • 報告者   :二宮くみ子、うま味インフォメーションセンター(UIC)理事
才木氏講演の様子
才木氏講演の様子

2016年9月28日にペナン島OLIVE TREE HOTELでうま味ワークショップ 'Unlocking the Secrets of the Fifth Basic Taste UMAMI, A Food Science and Taste Sensorial Experienceがシェフ、調理師学校の生徒約200名を対象に開催されました。UICは京都で活躍している料理人 才木充氏(京料理直心房さいき 主人)をこのワークショップに派遣し、和食とは何か、うま味、だしの理解を深めるとともに和食の健康価値を参加者に伝えました。

才木氏は日本における食の欧米化について、離乳期から和食をこころがけなければ食の欧米化を加速してしまうこと、食育を通じて子供たちに'だし・うま味'の体験をする機会を作ってあげることの重要性を参加者に伝えました。才木氏はワークショップの前日から会場に入り、試食メニューやだしの試飲の準備を行いました。これらの準備をサポートしてくれたのはペナン島にある調理師学校の生徒達で、試食メニューの準備プロセスや試飲カップへのだしの分注の仕方、必要な機材や食材の確認などを綿密に行いました。サポートしてくれた学生達は、初めて見る'だし'の調理の仕方、柚子の皮剥きなど、才木氏が調理する内容に興味津々でした。昆布を60℃で一時間近く加熱する過程で、味が徐々に変化していくこと、加熱とともに昆布が水分を含んで膨張していき、やわらかくなっていく様子、鰹節を入れることで味も香りも変わること、そして、これが日本の'だし'だというものを見る、味わう、香りを嗅ぎ、まさしく五感を介した素晴らしい初体験になりました。この学生達のサポートなしには、参加者全員へのだしの試飲、鱧の吸い物の提供はできなかったでしょう。

だしのひき方の説明風景
だしのひき方の説明風景

才木氏は「どんな料理も'おいしすぎる'のは良くない。味、香り、食感などの全てのバランスが大切である。うま味が強すぎるのは決しておいしくない」と参加者に伝えました。
会場の外では休憩時間にうま味スープの体験が行われ、うま味があるスープとうま味が少ないスープの味を比較することで、うま味はスープの味に深みと広がりを与えてくれる役割をしていることを体感しました。

前日の打ち合わせ風景
前日の打ち合わせ風景
柚子の皮の剥き方を説明する才木氏
柚子の皮の剥き方を説明する才木氏