うま味インフォメーションセンター

活動報告

うま味研究の歴史を科学的に解説~新ページ「世界に広がるうま味の魅力」

2021.07.25

うま味インフォメーションセンターは、ウェブサイトに新ページ「世界に広がるうま味の魅力」を公開しました。

東大の教授であった池田菊苗が第五の味覚うま味を発見したのは1908年のことです。ところが、世界的な大発見にも関わらず、池田の名前は長い間欧米では知られていませんでした。
なぜでしょうか。
1990年代までは、うま味そのものが欧米の科学者に認知されていなかったのです。グルタミン酸ナトリウムは他の味を引き立てる役割をもつ物質であり、うま味という味覚は存在しないという考えが世界の主流でした。
現在ではうま味が5番目の基本味であることが国際的に広く認められており、池田の業績は世界的に高く評価されていますが、ここに至るまでの道のりは平坦なものではありませんでした。

1990年にシチリア島で開催された第2回うま味国際シンポジウム(International Symposium on Umami)の様子

このページでは、うま味が第五の味覚として世界的に認知されるに至った経緯を、歴史的な写真や研究者たちの努力を紹介しながら解説しています。ナビゲーターは当センター前理事長で北海道大学名誉教授である栗原堅三博士です。博士はうま味が第5の味覚として国際的に認知される転機となった1985年の第1回うま味国際シンポジウム(於ハワイ)をはじめ、1990年の第2回うま味国際シンポジウム(於シチリア)、1993年の第9回国際嗅覚味覚シンポジウムでのうま味セッション(うま味セッションは以来複数回実施)等の開催組織委員として、うま味の国際的な認知に大きく貢献してきた人物でもあります。

新ページのコンテンツは12項目。うま味物質グルタミン酸の発見に始まる研究の歴史、MSGの安全性、2002年のうま味成分受容体の発見、さらに最近のうま味普及の動向などを、論文に掲載された図表を例に紹介しました。研究者の読者にも読み応えのある内容になっています。
ぜひご覧ください。
https://www.umamiinfo.jp/what/attraction