うま味インフォメーションセンター

活動報告

米国のシェフに精進料理の魅力を紹介

2022.02.21

現在、料理界の新しい流れとして、サステナブルでエシカル(倫理的)なプラントベースフード(植物由来の食品)が世界的に注目されています。しかし日本ではこのムーヴメントが起きるより遥か以前の13世紀から、精進料理の伝統をつちかってきました。

2022年2月21日(日本時間22日)、うま味インフォメーションセンター(UIC)は、アメリカのシェフ団体に向けて、精進料理と、その味を支えるうま味をテーマにウェビナーを実施しました。
「うま味と精進料理 - Umami and Sojin Ryori」と題して、行われたこのウェビナーには、UICのコンサルタントである二宮くみ子博士と、六本木の精進料理店「宗胡(そうご)」オーナーシェフ野村大輔氏が登壇しました。

ウェビナーは前半がうま味と精進料理についての講義、後半が精進料理のデモンストレーションという2部構成で行われました。
前半の講義では、二宮博士がうま味の科学を解説。さらにうま味が世界のシェフに活用されていることを述べ、実例として世界的に有名なデンマークのレストラン「Noma」のレネ・レゼピシェフの言葉「和食の神髄を理解し、だしとうま味を使いこなせれば、料理の動物性脂肪や食塩をへらすことも可能です。軽く、それでいて複雑で深みのある一品ができあがります。」を紹介しました。
精進料理の説明では、殺生を戒める仏僧の食事として発達した精進料理の歴史や特徴、食材は無駄にせず全て使い切る、五つの色を盛り合わせることで栄養バランスを取る等、精進料理の基本を解説。うま味とだし、様々な調理技術を駆使して、動物性の食品を使わずともおいしさを作り上げる精進料理の秘密を解説しました。

野村シェフ「野菜も命。無駄なく使いきります。残り野菜の切りくずは、取っておいてだしに使います。」

ウェビナー後半では、野村シェフが精進料理を実演。ロースト野菜だし、乾燥野菜だし、生野菜だしの3種をベースに、トマトやじゃがいもなど世界中で手に入りやすい野菜を使った精進料理を披露しました。
野村シェフはデモンストレーションを通して、うま味を活用する事で肉を使わなくてもおいしく満足感のある料理を作れることを示し、
「野菜を無駄なく使う精進料理の精神はサステナブルの考えにも通じます」「野菜だしの繊細なうま味をベースにバランスを取るため、基本的に薄味になり、食塩控えめでヘルシーな料理になります」などと説明しつつ、手際よく3品を仕上げ、参加した約80人のシェフらを魅了しました。

ウェビナー後のアンケート結果も好評でした。プラントベースフードとしての精進料理とこれを支えるうま味の魅力をアメリカのシェフの皆さんに存分にお伝えしたウェビナーとなりました。