うま味インフォメーションセンター

活動報告

うま味の力を役立てよう~東北大学で講義「だしとうま味の話」

2024.01.11

かつお節や干し椎茸の出汁は、誰もが味わったことのある代表的な出汁ですが、それらを意識して味わったことはありますか?大学生の皆さんが出汁の実学に臨みました。

2024年1月11日、うま味インフォメーションセンター(UIC)は東北大学にて、様々な実習を交えたうま味講義を行いました。この講義は、東北大学の内外の講師がそれぞれの分野から和食について語る「基礎ゼミ 『和食』の文化を科学的に理解する」(全15回)の一環で、UICは2016年度から講義を受け持っています。
本年は「『だし』と『うま味』の話」と題して、木戸妥恵理事が約1時間半の講義と実習を行いました。参加した学生は、医学部、教育学部、農学部など様々な学部の1年生24人です。
今回は、学生の皆さんがうま味を実感し、生活に役立ててもらえることを念頭に、実習を中心に構成しました。

まず、学生の皆さんに自分たちで出汁を取ってもらいました。そして、和食の出汁食材は、乾物として完成するまでの工程は長いこと、一方で出汁を取る工程では西洋のブイヨンと比べて「意外と簡単に作れる」ことを、知識と体験で実感してもらいました。   
続いて、うま味成分とその特徴についての講義を実施。学生の皆さんは数種のうま味食材を試食して「うま味」とはどんな味であるかを認識し、さらに昆布とかつお節の出汁を合わせて、うま味の相乗効果を体験しました。ドライトマトが苦手な学生さんが「海苔のような味」がする、と表現したことが印象的でした。  
また、作成した昆布、かつお、煮干し、干し椎茸の出汁をそれぞれ試飲、各自で官能評価するとともに、数種を合わせた味わいを比較しました。

一般に和食の調理に使われるのは複数の出汁で作った「合わせ出汁」が中心で、昆布出汁やかつお出汁を単体で使うことはまれです。合わせ出汁にする理由は、アミノ酸系、核酸系のだしを合わせることで、うま味の相乗効果が生まれ、より強いうま味が得られるためです。

学生の皆さんの感想です;
「単独の出汁だとほとんどおいしさを感じない。」
「合わせた瞬間にうま味が増した」
「(合わせた出汁は)それぞれの出汁単体からは考えられないほど味が濃くて感動した。」
「全部混ぜたらもっと美味しくなるかと思ったが、色が濁るし、味も好き嫌いがわかれる。なんでも混ぜればいいわけではないのだと思った。」
「他にもどんな組み合わせがあるか試してみたい。」

注意深く試飲する皆さん
グルタミン酸濃度の比較実験
塩もみした野菜で、うま味の効果を調べました

また、グルタミン酸の濃度を色の濃淡で確認できる簡易キットを用いて、「昆布出汁(希釈)」、「かつお出汁」、「昆布とかつおの合わせ出汁(希釈)」のグルタミン酸濃度を比較しました。  

最後に「うま味の効果を料理で確認する」実習として、うま味を活用して野菜の苦味を減らし、減塩してもおいしく食べられることを確かめました。    
きゅうりの薄切り2袋に、一方には塩を、もう一方には塩を1/3量減らしてうま味調味料を加えたものを加え、それぞれ袋の上から“塩もみ”にしてもらいました。    
できあがった塩もみきゅうりを食べ比べた皆さんは、「うま味を加えて減塩した方がおいしく感じる」「食塩を減らしても、うま味の効果でおいしく食べられることがわかった」と感想を述べていました。

講義の終わりに “「だし」や「うま味」の良さを、誰にどのように伝えたいか”を100字で書いてもらったところ、うま味を活用するとおいしく塩分を減らせることを、家族、特に祖父母に伝えたいという人が目立ちました。
体験で得た知識や経験を実生活で活かすことができたら、そしてその知識が大切な人の健康や幸せを守ることになるなら、それはとても意義深いことです。
皆さんの体験がよりよい日常につながることを期待します。