うま味インフォメーションセンター

活動報告

Umamify the World! ~国際嗅覚味覚シンポジウム(ISOT2024)で「UMAMIブース」を展示

2024.06.26

2024年6月22日から5日間にわたり、アイスランドの首都レイキャビクにて、第19回国際嗅覚・味覚シンポジウム(ISOT:International Symposium on Olfaction and Taste)が開催されました。このシンポジウムは4年に一度開催され、今年度も味覚や嗅覚の研究者約700人が集いました。
ヨーロッパ(欧州化学受容研究機構、ECRO)、日本(味と匂い学会、JASTS)、北米(化学受容科学協会、AChemS)の研究団体が共催。2004年に京都で行われた第14回大会では、「うま味レセプター」シンポジウムが開催され、研究発表についての討議が繰り広げられました。

うま味インフォメーションセンター(UIC)は23日から4日間、うま味研究で長年情報交流のあるコペンハーゲン大学のオーレ・モーリットセン名誉教授と共同で、嗅覚と視覚に訴える「UMAMIブース」を設置。うま味やコクに関するパネルや科学番組の映像展示、うま味食材の実物展示、うま味の効果を体験するテイスティングの3つのコーナーを展開しました。
ブースにはUICコンサルタントの二宮くみ子博士がモーリットセン名誉教授と共に立ち、訪れた研究者の皆さんにうま味やうま味物質とコクの関係について説明しました。

うま味食材の展示コーナーには、壁面を使って一本物の大きな真昆布、羅臼昆布を展示。遠くからでも目立つ現物の昆布が来場者をひきつけました。
展示台にはざる盛りにした昆布やかつお節、干し椎茸などの日本のだし食材、デンマークのうま味海藻ダルス、現地アイスランドのメルルーサ、ヨーロッパで入手できるかつお節など、各種だし食材を所狭しと並べ、訪れる研究者の視覚と嗅覚にアピールしました。

最も来場者の人気を集めたのは、うま味を体験できる試食コーナーです。
さばと塩で作られた魚醤「ガルム」を使って、モーリットセン教授が古代ローマ時代のディップソース、「メリガルム」を再現。「メリガルム」は、ガルム、はちみつ、ライム果汁を1:2:2の割合で混ぜた、ポン酢のような味わいのソースです。
来場者に、苦味のある生野菜にこのソースをディップして試食いただいき、独特の苦味がうま味と塩味で緩和される効果を体験してもらいました。

このコーナーでは、日本のだしの試飲も行われました。また、西村敏英UIC理事長監修による「コクとうま味物質の関係」について、パネルやパンフレットを用いて海外の研究者に紹介し、参加者からの高い関心を得ることができました。

ブースには4日間で200人もの皆さんが来場。2日目以降は、「他の人から『「UMAMIブース」に行くべきだ』と言われたので来ました」と語る方々も現れ、“興味深い体験ができるブース”と認識いただけたことが伺えました。

「UMAMIブース」には、研究者だけでなく嗅覚障害者に向けた書籍の出版関係者も来場。「嗅覚障害者にとって、うま味があることで、より美味しく食べられる可能性がある」というコメントも頂いています。

今後のうま味の可能性とUICの活動の広がりにつながるブース展示となりました。

利尻昆布と羅臼昆布の現物を壁に展示
だし素材やデンマーク産のさばのガルムなどをかつお節削り器とともに陳列
メリガルムのテイスティングをデモンストレーションするコペンハーゲン大学オーレ・モーリットセン名誉教授

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