新宿調理師専門学校で第1回特別講義
2025.06.10

2025年6月10日、新宿調理師専門学校にて、うま味インフォメーションセンター(UIC)による特別講義「うま味を知る、うま味を感じる」が行われ、同校の2年生と先生方、約40人が参加しました。

今回の講義は、調理の技能や歴史、マナーなど幅広いカリキュラムを組む同校からUICに対し「生徒たちに現代の調理科学的な見地から『うま味』を知ってもらいたい。伝統と科学の両面で知識を得ることで、学びに厚みを持たせたい」というご要望をいただき実現したものです。講師は、UICの木戸妥恵理事が務めました。
木戸理事は、おいしさとは何か、基本味の“うま味”とおいしさを意味する“旨み”の関係、基本味うま味やうま味物質の発見の歴史と3つの特徴*などを、うま味食材の試食やだしの試飲を挟みながら説明しました。
*①持続性がある ②舌全体に広がる ③唾液の分泌を促す
さらに日本のだしと西洋のだしの違い、発酵によってうま味物質が増加すること、西洋料理のうま味などについてもお話しました。
生徒の皆さんには、昆布とかつおのだしによる相乗効果の体験が特に印象的だったようです。この体験は次の手順で行われました。各体験の前には、水で口をすすぎます。
1. 利尻昆布のだしを味わう(アミノ酸系のうま味物質‘グルタミン酸’を味わう体験)
2. 昆布だしのカップに、かつお本枯節のだしを注いで、再び味わう(うま味の相乗効果の体験)
3. かつお本枯節のだしを単体で味わう(核酸系のうま味物質‘イノシン酸’を味わう体験)
2番目の相乗効果の体験の際は、皆さんの表情がぱっと明るくなり、「うま味が何倍にも強くなったことが実感できましたか?」という木戸理事の問いかけに、一斉に手が上がりました。しかし続いて3番目のかつおだし単体の試飲を行うと、不思議そうな表情に変わったのが印象的でした。木戸理事から味の感想を聞かれて、生徒の一人が「うすい・・・」と答えていました。
うま味は単体では淡い味ですが、アミノ酸系のうま味と核酸系のうま味を合わせることで、7~8倍あるいはそれ以上の強さになります。これがうま味の相乗効果です。
今回の講義では、うま味物質を活用することで、減塩しても美味しさを保つ効果をもつこと、適度なうま味が食材の風味を引き立てることなども、試飲体験とともに説明しました。
2番目の相乗効果の体験の際は、皆さんの表情がぱっと明るくなり、「うま味が何倍にも強くなったことが実感できましたか?」という木戸理事の問いかけに、一斉に手が上がりました。しかし続いて3番目のかつおだし単体の試飲を行うと、不思議そうな表情に変わったのが印象的でした。木戸理事から味の感想を聞かれて、生徒の一人が「うすい・・・」と答えていました。
うま味は単体では淡い味ですが、アミノ酸系のうま味と核酸系のうま味を合わせることで、7~8倍あるいはそれ以上の強さになります。
これがうま味の相乗効果です。

今回の講義では、うま味物質を活用することで、減塩しても美味しさを保つ効果をもつこと、適度なうま味が食材の風味を引き立てることなども、試飲体験とともに説明しました。生徒の皆さんはこれまでうま味は座学で知っていましたが、今回の集中授業を通じてうま味とは何かを実際に体感できた、とのコメントをいただきました。

また、今回の同校で初めて講義をさせていただきましたが、だしは先生方にご準備していただきました。そして先生のご指導のもと、生徒の皆さんが分注や配膳を担い、きびきびと準備してくださいました。
一人の生徒の感想です。「私は西洋料理のシェフを目指していますが、うま味が応用できることがわかりました。だしをつかった西洋料理など、これからの自分の料理のヒントになると思いました」
食のスペシャリストにとって、うま味を感じ取る力はとても大切です。
うま味を感じる力は料理の和洋中を問いません。基本味であるうま味は、世界中のあらゆるジャンルの料理で、おいしさとコクに関わってくる味覚だからです。うま味やうま味物質の知識はどんな料理にも応用できます。将来の皆さんの調理のヒントにしていただけることを期待します。