うま味の科学:美食文化への適応~お茶の水女子大学のインターナショナルプログラムで講演
2021.07.16
多くの大学で急速に普及したオンライン授業は、海外在住の学生たちが世界中から日本の講義に参加することを可能にしました。うま味インフォメーションセンターは7月16日、お茶の水女子大学が主催する「サマープログラム2021」で、英語によるオンラインうま味講義を実施しました。
同大学のサマープログラムは、お茶の水女子大学の学生が海外協定校の学生と共に学ぶ特別履修プログラムで、毎年、様々なトピックについて第一線で活躍する講演者たちがレクチャーしています。
今年度は前年に続いてオンラインでの開催となりました。
うま味インフォメーションセンターのコンサルタントである二宮くみ子博士は、同プログラムのCulture Society Course の一環として、 “Science of umami taste – Adaptation to Gastronomic Culture”(「うま味の科学:美食文化への適応」)と題した講義を実施。基本味であるうま味の基礎知識のほか、日本の食文化におけるうま味の利用の歴史、日本の食文化と他のアジアや西洋の文化との比較を紹介しました。
さらに、世界中のシェフが自国のうま味成分を独自のスタイルで使用していること、うま味が低ナトリウム食や植物性の料理といった「より健康的でおいしい料理」に貢献していることも紹介しました。
講義に参加したのは、アメリカ、欧州、アジア、南米など12カ国、66人の学生たちです。
「うま味が多い料理はスープ以外にありますか。」(回答:例えばビーフ、チキン、魚などのシンプルなグリル肉料理。特にチキンはうま味含有率が高いです)
「うま味の強さはどのように測定するのですか。」(回答:トレーニングを受けた官能評価員を使います)
「うま味はどのような製品として、日本から海外に輸出できるでしょうか」(回答:うま味調味料やMSGとして海外でも購入できます。また風味調味料として各国で生産されている製品にもうま味は活用されています)など、講演中から講演後までたくさんの質問が寄せられ、いまや世界の共通語であるumami への関心の高さが伺えました。