うま味インフォメーションセンター

活動報告

吉祥寺で消費生活講座『「うま味」の魅力 味わうことの大切さ』

2025.09.11

うま味インフォメーションセンター(UIC)は2025年9月11日、武蔵野商工会館にて、市民向け講義「『うま味』の魅力 味わうことの大切さ」を開催しました。昨年に続く実施で、約60名の武蔵野市民の皆様にご参加いただきました。

この講義は、武蔵野市消費生活センター主催の連続講座「むさしの消費者スクール:体にやさしい生活」の一環です。全9回のプログラムでは、発酵調味料メーカーや消費生活コンサルタントの講話、地域農家の訪問などが行われ、UICはそのうちの1回を担当しました。開講にあたり、武蔵野市市民部産業振興課消費生活係丸山裕香係長より「科学的なエビデンスに基づいたうま味の情報をお伝えすることで、食と健康への関心を高め、生活の質向上につなげたい」とのお言葉があり、地域行政としてのうま味への期待も感じられました。

講師はUICの木戸妥恵理事です。試食を交えながらうま味について学び、日々の食生活に活かすヒントを得ていただく講座となりました。

多くの食材にはうま味物質が含まれていますが、うま味は甘味や塩味に比べて淡い味です。そのため、意識して味わうことで初めて認識できるようになります。認識できるようになると、「この料理はうま味がある」「この食材はうま味が少ない」といった違いが分かるようになります。講義ではまず、ドライトマトを飲み込まずに1分ほどよく噛んで味わうことで、食材の味わいの中に存在するうま味を体感していただきました。

「うま味の相乗効果」体験をレクチャーする講師の木戸妥恵理事

次に、昆布だしとかつおだしを使って、うま味の相乗効果を体験していただきました。昆布だしに含まれるアミノ酸系うま味物質(グルタミン酸ナトリウム)とかつおだしの核酸系うま味物質(イノシン酸ナトリウム)を合わせると、うま味は7〜8倍にも強まります。実際に合わせだしを試飲した参加者からは「うま味が強くなった」と驚きの声が上がり、講師の「うま味が強くなったと感じましたか?」という問いかけに、一斉に手が挙がりました。

さらに、だしを加えていない減塩のみそ湯に合わせだしを加えると、味わいが豊かになり、「おいしさを高めながら減塩できる」ことを体感していただきました。続いて、昆布水を使った唾液分泌促進のテイスティングも行いました。これは、うま味物質が持つ働きを利用したものです。こうした体験を通じて、うま味を上手に活用することが健康的な食生活の実現につながることを、皆さん納得の表情で学んでいらっしゃいました。熱心にメモを取りながら頷く姿や、味わうことを楽しまれている様子が印象的でした。

講義後のアンケートでは、たくさんのご感想をお寄せいただきましたので、その一部をご紹介します。

・たくさんの発見、気づきがありました。とてもわかりやすいお話でした。これからの生活に是非活用させて頂きます。
・うま味のことを深く知ることができて、これからの食生活に活かせます。科学的な検証が、説得力がありました。実際に味わいながらの講演、楽しめました。
・実際に飲んで一つ一つ確認できたのが良かったです。ドライマウスに昆布だしが有効ということは初めて聞いたので、とても良かったです。
・グルタミン酸を上手に使って塩分控え目の食生活をしていきたいと思います。うま味を楽しみたいと思います。

是非、うま味を上手に活かして、おいしくて健康的な食生活を楽しんで頂きたいと思います。