うま味インフォメーションセンター

活動報告

吉祥寺二葉栄養調理専門職学校でうま味講義

2026.07.15

人を感動させる“プロの味”。それを追い求めて、調理師学校の生徒の皆さんは日々修練を続けています。プロのシェフ・料理人は、おいしさのメカニズムをどのように把握して仕事をしているのでしょうか。
うま味インフォメーションセンター(UIC)は2026年7月15日、吉祥寺二葉栄養調理師専門職学校にて、特別講義「食べ物のおいしさを引き出すうま味物質・うま味素材のはたらき」を実施しました。シェフ・料理人を目指す50人の皆さんが、おいしさとうま味の関係について学びました。

同校には「管理栄養士・栄養士」と「調理師」の2つの学科があります。「管理栄養士・栄養士学科」では、UIC理事長の西村敏英博士が毎週、食物学総論の必修授業を担当しています。この日は初めて、「調理師学科」でうま味の科学についての特別講義を行いました。
講義の冒頭、同校の調理師科 大野学科長の「うま味は料理人の世界では共通語です。」から始まりました。

お話させていただいたのは、当センター理事長の西村敏英博士と理事の木戸妥恵です。
前半では西村博士が、食べ物のおいしさは何によって決まるのか、そしてうま味物質はおいしさにどのように関与するのかを説明しました。

私たちが「この食べ物はおいしい!」と感じたとき、おいしさの決め手になっているのは「味」だけではありません。見た目や香り、口に入れた時の音、歯ざわり、温度、そして誰と食べたか、どんな環境で食べたかなど、さまざまな要素が関係しているのです。

講師を務めたUIC理事長西村敏英(左)と理事木戸妥恵
鼻をつまむと食品の味わいはどのように変化するでしょう

西村博士は、キャンディのテイスティングを通じて「味」と「香り」を感じる身体の仕組みや味と香りの区別、その両方を捉えることで「風味」として感じられること、基本味は五つあること等を説明しました。うま味はこの基本味の一つで、日本人が発見した味覚です。今では世界の共通語になったUMAMIについて、発見の歴史や、どのような特徴をもっているかが、うま味成分が多く含まれるドライトマトや、昆布だし、かつおだし、そして野菜ブイヨンのテイスティングを交えて説明されました。生徒の皆さんは、味覚を研ぎ澄ませて真剣に味わっていました。

うま味を多く含む食品(うま味素材)は、料理のうま味を強め、料理にコクを与えてくれます。また、減塩効果も期待できます。生徒の皆さんは西村博士の指導のもと、相乗効果をはじめとする様々な味覚体験に臨み、納得の表情を見せていました。

後半は理事の木戸妥恵が登壇し、プロのシェフたちが、うま味素材を実際にどのように調理に活かしているのかお話しました。世界の料理のだしやブイヨンを例に、洋の東西を問わず、どの地域の料理にもうま味の相乗効果が活用されていることを説明しました。
そして昆布や鰹節を使わず、鶏肉や生ハム、ドライトマトなど洋風の食材だけを使った「うま味だし」を紹介。木戸の「うま味素材を活かした料理は日本料理に限ったものではありません」という言葉にうなずく姿が見られました。
最後に海外のTOPシェフたちがうま味素材の魅力について語った言葉を紹介しました。活躍中のシェフたちの熱い言葉に心を動かされた人が多くいたようです。

講義後のアンケートでは、たくさんのご感想をお寄せいただきました。
・色々うま味に関して知ることができてよかったです。
・コクという言葉を今まであやふやに使用していたが、今回の授業でどういうものか分かってきた。
・体験もできて、より理解を深められました。

調理師は、おいしさを追求する職業です。おいしさのメカニズムを知り、うま味物質・うま味素材を活かしてとびきりの一皿を作ってください。皆さんの活躍に期待しています。