日本の 郷土料理と うま味

広島県 の郷土料理

かき飯
かき飯

広島県の郷土料理「かき飯」は、かきの養殖が盛んな江田島市周辺で作られてきた、かきの豊かなうま味を楽しむことができる炊き込みご飯です。広島のかきに関する歴史は古く、縄文時代や弥生時代からかきを食べていた証拠が、貝塚から見つかっています。1500年から1600年代には養殖が始まり、現在では広島県のかきの水揚げは全国の約6割を占めています。
かき飯は、一般の家庭でも作られるほか、地元の飲食店を始めご当地駅弁としても愛されています。
広島のかきは身が大きく濃厚な味わいが特徴。酒で炒りつけてさらにうま味が凝縮したかきを味わってください。

美酒鍋
美酒鍋

「美酒鍋」の発祥は、酒蔵の町として知られる東広島市西条地域。以前は「びしょ鍋」と呼ばれていました。もともとは蔵人のまかない料理として食べられていたそうです。日々の水仕事で常に着物が「びしょ濡れ」だったことから、蔵人のことを「びしょ」と呼んでいたことに由来します。 酒造りの仕事は体力勝負。若い蔵人たちにおいしく手軽に栄養を摂ってもらうため、当時は貴重なタンパク質源だった鶏肉を余すところなく活用し、白菜をはじめ様々な野菜を具材に入れ、日本酒と塩・こしょうだけで炒り煮にしてふるまわれていたといいます。シンプルな味付けなのは、利き酒に影響のないようにするため。溶き卵につけて食べるのも一般的で、“酒と塩で作るすき焼き”のようでもあります。 日本酒と鶏肉、野菜などの素材本来のうま味を楽しめる料理です。

鶏肉は他の肉に比べてイノシン酸が多いのが特徴です。たっぷり加えた野菜のグルタミン酸、そして、日本酒に含まれている様々なアミノ酸が深みのある味わいを出してくれます。