日本の 郷土料理と うま味

沖縄県 の郷土料理

かちゅー湯
かちゅー湯

かつお節の日本の平均消費量の4倍以上を消費する、日本一のかつお節王国である沖縄県。その代表的なかつお節を使った郷土料理「かちゅー湯」をご紹介します。 そもそも、沖縄は琉球と呼ばれ、昔から中国、薩摩、南方諸国との深い交流があり、様々な食文化が交わる「食の十字路」と呼ばれていました。その中で、中心的食材である「かつお節」は、15世紀頃に南方モルディブとの交易で伝わりました。琉球の宮廷料理は素材の味を引き出した薬膳的な料理で、おいしくて上品な味わいになるかつお節がたっぷり使われており、塩分は控えめな調理法で、大変好まれていたそうです。 沖縄の方言で「あじくーたー」と言いますが、これは「味が濃い」という意味ではなく、豚やかつお節などのうま味をたっぷり含んだ深みのある味わいを意味します。「かちゅー湯」は沖縄の代表的な料理として、琉球の時代から人々に深く愛されてきました。たっぷりのかつお節(荒節)とみそを入れ、あとは好みの具材を入れて、お湯を注ぐだけという簡単なスープです。かつお節の香りとうま味がダイレクトに伝わり、その味わいはヤミツキになります。また、沖縄では風邪をひいた時や二日酔いの時に飲む人も多いといいます。

かつお節のイノシン酸とみそのグルタミン酸の相乗効果で、満足感の得られる汁物です。うま味は食べ物の消化吸収を円滑に進めるためのスターターの役割をしてくれます。手軽にできるかちゅー湯は健康にも良いうま味スープですね。